炎色反応の利用のされ方

花ガスとキャンドル

炎色反応を利用した懐かしいものとして「花ガス」があります。まだガス灯が都会の夜道を照らしていた頃で、ガスを使ったネオンとして人々の目を楽しませていました。花ガスという名称どおり、ガスの炎で花や旗、文字などの形を表現したもので、その当時は、ローソクのような黄色い炎しか出なかったのですが、それでも明治初期~大正時代まで、記念行事や看板などの広告には盛んに使われていました。

 

もう今ではすっかり見られなくなってしまいましたが、1984年に炎の色がピンクやオレンジなどいろいろに変化する花ガスが造られて、芸術性の表現として新しく生まれ変わっています。

 

この花ガスを使用するためには、色彩が鮮やかで、水に溶けやすく、人間に害が無いなどの条件を満たしていなければなりませんが、よく利用される元素は4種類で、ナトリウムの黄色、カリウムの紫、リチウムの赤、銅の緑となっています。更にこれらを混ぜ合わせると、ピンクやオレンジの炎も表現が可能です。

 

ろうそくを使った炎色反応キャンドルは現在でも手軽に楽しめるもので、キャンプファイアや卒業式などでも使え、美しい色の炎を見て「きれい!」という歓声が聴かれます。

 

室内演出用のカラーキャンドルは、メタノール100mlにステアリン酸を5g入れることで作れ、希望の色になるように発色剤のどれかを5g程度入れればOKです。ホウ酸なら緑色、塩化ストロンチウムは赤色、塩化リチウムは深紅、ヨウ化カリウムはオレンジ色、塩化カルシウムは青色、塩化ナトリウムはオレンジ色となります。