炎色反応の利用のされ方

主な炎色反応

では炎色反応による色の出方について説明しましょう。それぞれ数値はその元素の波長数を表しており、カッコはコバルトガラスを通して見た時の色を示しています。コバルトガラスとは、コバルト(原子番号27の元素、元素記号Co、鉄族元素の一つ)を含有する青色のガラスのことです。

 

これは500~700nmの範囲に強い吸収を持ち、炎色反応の観察時にはナトリウム由来の589nmの輝線を吸収するフィルターとして利用されています。

 

まず第1族元素ですが、第1族元素は周期表において第1族に属する元素で、水素を除いた元素についてはアルカリ金属と呼ばれています。

 

リチウムは670 nmで深紅色(赤紫色)、ナトリウムは589 nmで黄色(無色)、カリウムは760 nmで淡紫色(紫色)カリウムは特にナトリウムに妨害されやすいのでコバルトガラスが必要です。ルビジウムは780 nmで暗赤色(赤紫色)、セシウムは青紫色(青紫色)ですが励起に必要な高温を得る酸水素炎で見る必要があります。

 

第2族元素(アルカリ土類金属)では、カルシウムは橙赤色(橙緑色)、ストロンチウムは深赤色(紫色)、バリウムは黄緑色(青緑色)、ラジウムは洋紅色となっています。

 

第11族元素では、銅は510 nmで青緑色(淡青色)です。第13族元素(土類金属)では、ホウ素は黄緑色(青紫色)、ガリウムは青色、インジウムは藍色、タリウムは淡緑色です。第15族元素では、リンが淡青色でリン酸イオンによる反応、ヒ素は淡青色(淡紫色)、アンチモンは淡青色(淡紫色)です。